『教育』No.888①

2020年1月号に「それでも<教師>になりたい」というタイトルで教師についてエッセイを書きました。

 

月刊誌『教育』2020年1月号 – 教育科学研究会

 

今更ですが、「教育」を読む会や、友達の感想等を踏まえて、私が伝えたかったことをここにまとめます。

 

 

結局、<教師>とは?

今回、あえて<>を使って、私が考える教師像を<教師>と表現しました

私自身、今のところ、実際に学校で働くつもりはありません。

しかし、中学校のときの担任の先生のような大人になりたい、そういった意味で人間観としての<教師>を考えました。

 

人の軸というものに置き換えることもできると思いますが、多くの人に「本当に教師になりたいですか?」と問いたかったのです。

 

逆に、教師になっても、それが単なる仕事ではなくて、自分の目指した教師像に近付いているのか、ということが大事だと思います。

 

そして、私が考える<教師>とは、「その人が安心して成長できる場とつながりを提供し、成長できる機会をつくっていく存在」であると結論付けました。

言い換えれば、

安心して成長できる場とつながりを提供・・・ケア

成長できる場をつくる・・・指導

この両面を兼ね備えた人間に、私はなりたいのです

 

ケアと指導の同時充足

そして、いい言葉が見つからず、うまく話せなかったこのことについて論じていきたいです。

 

文中では、SKET DANCEという漫画の主人公の台詞を引用しました。

(人助けとは)

「理解者になる事。〔…〕その人が今いる位置を認めて愛しいと思えるように背中を押す事」

そして、これが成長する意欲になると補足していました。

 

実際の漫画の話では、二字熟語(左様、無論など)でしか話せない、話すと小声になる、など、個性豊かなキャラが、主人公に変わりたいと相談してくることがあります。

そのなかで、結局、あまり変わらなかったというオチになります。

 

しかし、これはギャグマンガとしては“オチになりますが、そのキャラに感情移入すると、ありのままを主人公が認めてくれて、そのうえで「成長したい」という気持ちも受け入れてくれている、安心して成長できる場とつながりを獲得した瞬間なのです。

そのキャラはきっと、自分なりに変わっていくスタート地点に立ったのです。

 

大切なのは、主人公は「変わらなくてもいい」と思っている一方、変わろうとする努力を全力でサポートします。つまり、成長できる場をつくろうとしています。

 

最後に

勝手なイメージですが、世の中の教師って、このどちらかが強い印象です。いえ、教師だけではないでしょう。

 

「いいじゃん、今のままで。」

それが当人にとっては投げやりな言葉や見放されたように感じることもあります。

 

「今のままじゃダメじゃない。」

それが、今の自分を認められない呪いの言葉になっているかもしれません。

 

変わらないといけない、それはきっと本人が一番感じているのです。

でも、今の自分を肯定的に認めてもらえる瞬間が足りていないこともしばしばです。

 

大切なことは「今のままでいいと思う。でも変わりたいんだよね。一緒に頑張ろう。」という一言を伝えられるか、そして実際に行動に移せるか、ということではないでしょうか