『教育』No.891②

 


ちゃんと考察しようとか考えるといつまでも更新しないので、気になったこと、感想等を簡単にまとめることにします。

 

引用:黒字

共有したい疑問:青太字

その他感想等:青字

 

 

  

特集1 学びは遊び、遊びは学び

福田奈奈「クレヨンで描いた虹」

・「先生、これでいいですか」と、図工の授業で子どもに聞かれたことはないだろうか。

・「遊ぶ」という言葉が連れてきてくれる自由さに、子どもたちは惹きつけられて、様々なことを学んでいく。遊びながら実験して、結果を自分なりに考察して、学んだことを人に伝えようとする。そこには子どもの自然な学びの姿があった。

・子どもは、正しい話し方や文法を覚えたから話せるようになるのではなく、話すことをとにかくたくさん試しながら、自分の言葉に対する周囲の反応を見て学んでいく。

・走り続けることに疲れたときは、子どもと一緒に、目的地のない散歩に出かけてみてはどうだろうか。きっと新たな発見や学びが、子どもの歓声と共に飛び込んでくるはずだから。

 

渡辺恵津子「文化としての算数をEnjoy!

・「学校に行くのは楽しい」という9割近い小学生(全国学力状況調査2015)。「楽しい時間」のトップは「休み時間」。「給食・行事・放課後」と続いて最下位が「授業」です。

・五感を駆使した遊び体験は、教室の中に共通のイメージやことばを生み、どの子も同じ学びの地平に立つことを保障します。遊び体験は、討論しながら自分を認め、他者とつながる大切さも学べるのです。

・授業の導入は楽しいゲームや教具を持ち込んでも、数の世界になると「わからない、つまらない」という子どもたちが出てきます。それは、ゲーム(遊び)や「楽しさ」を、学習をうまくすすめるための“つなぎ”にしているからです。子どもたちが望む主体的で自発的な学習は「問い」から出発します。

・子どもたちは遊びの中で数量体験を重ねて身につけた数量感覚を基礎に学習を通じて生活概念を数量概念にしていきます。教科としての算数も共通の楽しい体験が「問い」を育て、共有することばやイメージを生み、それを土台に討論して解き明かす文化としての算数の学びを創るのです。

 

※(出典)全国学力・学習状況調査 平成27年度

 これが元のデータから作成したグラフです。ただ、全国学力・学習状況調査では、何を楽しいと感じているのかという質問は含まれていませんでした。西東京市で同様の調査を見つけました。

https://www.city.nishitokyo.lg.jp/kosodate/kyoiku/kakusyuresearch/kk26-30_a-h_houkokus.files/a-2_pdf.pdf#search=%27%E6%8E%88%E6%A5%AD%E3%81%8C%E6%A5%BD%E3%81%97%E3%81%84+%E4%BD%95%E5%89%B2%27

しかし、渡辺さんが実際に参照したデータが見つけられませんでした。ご存知の方は教えていただけると助かります

 

森末佳代「わらべうたを楽しむ子どもたち」

・人と人とが向かい合い、身体を接触させ、ルールを守ることで成立するわらべうたを行うことで、子どもたちの社会性がよく見えてきました。

・子どもたちは一人ひとり、様々な思いを抱えながら学校に来ています。そんな子どもたちが遊びの中でお互いの違いを感じるからこそ、ぶつかり合い、協力しながら、仲間として、クラスとして成長していけるのだと思いました。

 

栗原茂「自分の物語をつくる」

・インプロ(即興表現)を通して、その考え方である「相手にいい時間を与える」「失敗してもいいんだよ」「ゆっくりしよう」を伝えたい

 

小山将嗣「遊びの中で育つ―レク係のアカト」

・「子どもの最大の仕事は遊ぶことである」。遊びの中で友達との関わり方を知り、運動能力や神経を発達させ、自分を解放して思いっきりを楽しむ。また、遊びの中では勉強の得意不得意や生活水準など関係なく、誰もがみんな一緒に楽しむこともできる。

・学校の中でさまざまな友達と関わることで、社会性を自分自身で学んでいく。その中で当然トラブルも起きる。しかし、それを話し合って認識していく時、遊びが学びに変わるのである。他者との関わりの中で、一体感や有能感を感じ、自分を解放する中で楽しい経験を積み重ねることが、幼少期には必要不可欠な「仕事」なのである。

 

楠凡之「豊かな遊びが「学びの基礎」を育む」

・子どもが主体の遊びが豊かな生活的概念と学びへの意欲を育む

・自分の視点を「脱中心化」したり、様々な視点を協応させていく力を育む

・子どもたちが生身の遊びや生活の中で自分の思いとは異なる他者の思いにぶつかり、その中で悔しさや悲しみなどの感情も体験しつつ、お互いの思いや願いを協応させて問題を解決していく体験は、豊かな学びの基礎となるものである。

 

 

「遊び」=「子どもの最大の仕事」

子どもは、遊びの中で友達との関わり方を知り、運動能力や神経を発達させ、自分を解放して思いっきりを楽しみます。他者との関わりの中で、一体感や有能感を感じ、自分を解放する中で楽しい経験を積み重ねることが、幼少期には必要不可欠な「仕事」です。

 

①遊びは自由(子どもの自然な姿)

子どもたちが望む主体的で自発的な学習は、遊びから見つけた「問い」から出発し、豊かな生活的概念と学びへの意欲を育んでいくことになります。子どもたちはその自由さに惹きつけられ、遊びながら実験し、結果を自分なりに考察して、学んだことを人に伝えようとします。そして、遊びの中で、様々なことを学んでいきます。

 

②遊びを通して学ぶ社会性

人と人とが向かい合い、身体を接触させ、ルールを守ることで成立する活動を行うことで、子どもたちの社会性が見えてきます。

 

遊び体験は、討論しながら自分を認め、他者とつながる大切さも学べるのです。子どもたちは一人ひとり、様々な思いを抱えながら学校に来ています。

そんな子どもたちが遊びの中でお互いの違いを感じるからこそ、ぶつかり合い、協力しながら、仲間として、クラスとして成長していけます。

その中で当然トラブルも起きますが、それを話し合って認識していくとき、遊びが学びに変わります。自分の視点を「脱中心化」したり、様々な視点を協応させていく力を育み、社会性を学んでいきます。

 

子どもたちが生身の遊びや生活の中で自分の思いとは異なる他者の思いにぶつかり、その中で悔しさや悲しみなどの感情も体験しつつ、お互いの思いや願いを協応させて問題を解決していく体験は、豊かな学びの基礎となります。

 

 

行事も「子どもの最大の仕事」

 行事は、遊びの延長だと思います。運動会や合唱祭ではクラスがまとまることや勝利を目指して、問を見つけその答えを考えたり、問題の解決に向けて苦悩していきます。リレーの順番一つをとっても、頭を使えば(工夫をすれば)、クラス全体のタイムは速くなります※。バトンの受け渡しを練習するのも良いと思います。

 

中には、行事なんて面倒という人も(教師だとしても)いると思います。でも、そういう人ほど、いかに周りと喧嘩せずにさぼるかを考えていたと思います。行事に真剣に取り組むだけが正解ということはないです(むしろ行事大好き教師の方は、行事嫌い生徒のことを考える必要があります)。

 

しかし、そういったことも含めて、価値観が違う中で、一つのことに真剣に取り組み、自分と他者の感情や要求に折り合いをつけて、集団の目標を達成しようとする。そして、社会性を学んでいく。それが行事ですよね。

 

※バトンの受け渡しは練習以前に、全員がもらう手と渡す手を決めておくといいです。また、同じ手で渡そうとすると、足と足がぶつかりやすくなる、あるいはぶつかりそうになって走るのが遅くなるため、「左手で相手の右手に渡す」等、全体でルールを統一すべきです。あと、全体の順番は、速い人と遅い人を組み合わせると、速い人はより長く、遅い人はより短く走ることで、全体のタイムが伸びます。さらに、大半のクラスは最初と最後の方に速い人を集めます。そのときに勝負できるように工夫するには、速い人の中でも体力のない人(50mはいいけど100mは遅い人)を遅い人としてグループわけして、速い人と交互にします。すると、最後の方は全員速いのに、適当に速い人を集めたクラスより速くなります(速い人を活かせます)。以上は、実際に私が中学3年生の運動会で使用した方法です。

 

社会性だけでなく、想像力や、知識等を学び、最終的には(話題の)課題解決能力を育むはずです(というか、問題解決能力を高めたいのに教科指導ばかり内容を増やすのは必ずしも正しくないことを伝えたいです)。

 

私は行事での創意工夫(考えること)が大好きですので、これが仕事になるならば、行事でより良い成果を出したい全国の児童生徒に助言・援助し(一緒に考え)たいですね

 

いずれにしても、行事になると、遊びの自由さは自治に発展していると思います。遊びよりも明確に、集団での意思統一やきまりづくりが求められているからです。

学校行事は改めて大切だと伝えたいです。

 

そのような学校行事ができないかもしれない今日、YouTubeではできなかった人のために、卒業式が行われるそうです(3月にあったように記憶しています)。

できれば、運動会や合唱祭に代わる(それ自体はできないが、学校行事のように子どもたちが協力して揉めながらも成長する)イベントが出てきてほしいです。もしくは、主催したいです。

 

 

 最後に

『教育』を読んでいない方も読んだ方も、特集1「学びは遊び、遊びは学び」についてのご意見、ご感想をお願い致します。特に、私の感想等に対しても、思うところがあればお気軽にコメントしてください。

知り合いの方にも紹介してくれると嬉しいです(仮面ライダーの記事もありますが、気にしないでください。教員採用試験の勉強が落ち着きましたので、月刊誌『教育』に関する記事を増やしていく予定です)。